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夢を追うダメ男

あなたには夢はありますか?誰にだって夢を見る権利はあるでしょう。私だって、小さなことではありますが、夢を見ることはあります。それによって誰かに迷惑をかけることがなければ、問題はないでしょう。

しかし、夢を追うことによって誰かに迷惑をかけてしまうことだってあるかもしれません。私が昔付き合っていたある男は、いわゆる夢を追う男でした。それによって、周囲に迷惑をかけ続けていました。私もそんな彼には随分と振り回されてしまいました。

ここではそんな彼の話をしてみたいと思います。

◆メジャーデビューを夢見るバンドマン

付き合いはじめたころ、彼は26歳でした。仕事はアルバイトで、バンド活動をしていました。彼がまともに就職をしない理由は、バンドで成功するための活動に専念する、というものでした。
私は音楽にはまるで興味がないのですが、何度か彼のライブを見に行きました。それなりに人気があるようで、盛り上がっていました。なので、もしかすると彼はこの世界で成功できるのかもしれない…なんて私も思ってしまいました。
なので、付き合っている間はできる限り彼を支えたいと思いました。

ですが、バンドマンというのは私が想像している以上にお金がかかってしまうもののようです。彼はギタリストで高価な機材を購入するためにかなりの借金もしているようでした。
そして、結局家賃さえも払えなくなり、私の部屋に転がり込んでくるという形で、同棲生活がスタートしました。

当時私が暮らしていた部屋は、一人暮らしにしては広かったこともあり、彼が転がり込んできてもそれほどストレスを感じることはありませんでした。
むしろ、最初のころは一緒に過ごせる時間が長くなったことで幸せを感じていたほどです。

しかし、しばらくすると彼はどんどん図々しくなっていったのです。

◆夢のためだから…とは言うけれど

一緒に暮らしはじめてからすぐに彼は、私にとんでもない提案をしてきたのです。彼が言うには一年間一切仕事をしないから養って欲しいと言うのです。
当時の私の収入であれば、彼を養うことはそれほど難しいことではありませんでした。しかし、いきなりそんなことを言われるとは思っていませんでしたので驚いてしまいました。
その上、バンドの活動費も出して欲しいと言うのです。バンド活動をするにはスタジオ代やライヴにかかる費用、その上彼には借金までありました。それをすべて負担して欲しいというのです。1年間そうして音楽活動に集中できれば成功できる、と力説していました。

彼が熱心に話すのを聞けば聞くほど、私どんどんさめて行きました。

夢を追うのは自由です。しかし、誰もがそれだけに集中できるわけではないのです。それを恋人とはいえ、他人の力に頼って、自分は好きなことだけをするなんて、あまりにも勝手だと思いませんか? それに、1年後に彼が売れるなんて保証があるわけではありません。それがズルズルと続くことになるのは目に見えていました。

結局、私は彼の申し出を断り、別れることにしました。

噂によると、彼はその後、別の女のところへ転がり込んだようです。結局はそんな男でしたので、別れたことに少しの未練もありません。

夢を追う男性のすべてが悪いわけではありません。しかし、私は彼のせいでちょっと夢を追う男性が苦手になってしまいました。